今はもう販売中止されてしまってるオリエント工業のCandy Girlのサブブランド、「ファンタスティック」のアニメ顔のヘッドであるティナですが、やっぱり17年前の購入当時からかわいいけどもこう物足りない感じがしてました。
それで最初はボークスの23~27cmドール用コスメ使ったりして、チークやリップは塗ったりしていたのですが、経年劣化で割と短期間で色が無くなってしまって諦めてたんです。
でも、それは知識不足だっただけ。近年特にDDが流行してるおかげでドール系のサイトもかなり増えて、色んな方のドールが公開されたり、カスタムの仕方を公開してたり、道具類も進化してたりしてかなり楽に、しかもかなり安くカスタム出来るようになりました。
それに触発される形で自分もうちの嫁をカスタムしようと思い立ち、あれこれ揃えてメイクしてみました。
使った道具一式。
・GSIクレオス Mr.スーパークリアーUVカットつや消し
・Mr.カラー薄め液
・水彩色鉛筆36色(ファーバーカステル)
・ゴンドラ ソフトパステル
・メイク用ブラシセット・アイシャドウ用チップ
・陶器製の花皿
・タミヤカラー アクリル塗料ミニ クリヤー X-22
・タミヤ つや出しニス GLOSSY VARNISH
・タミヤの極細面相筆
・造形村 筆 NY-01
・造形村 リキテックスカラー
・端が閉じたタイプのコットン(やわらか封入タイプ)
・水差し
・適当なスポイト
・耐水スポンジペーパー#1000・#1500
・デザインナイフ(カッターでも可)
基本的には参考にさせて頂いた下記のサイト様のものを考慮しつつ、手持ちの道具も活かす形で揃えてみました。
・むらぶろぐ|むらまっは的、メイクのやり方。
・PARABOX|メイクの描き方
・プーリップカスタムまとめ Wiki*|カスタム共通/メイク/道具・画材
元の仕事がエロゲとかのグラフィッカーだったとは言え、デジタルでは無いアナログの塗りで、リキテックスなどを筆でペイントする技量は無いと感じたので、自分でCG描いてた都合で原画まではアナログ原稿だったので鉛筆なら…と、アニメ的なまつげ表現のカスタムには水彩色鉛筆を使いました。
チークやリップは、専門学生だった頃にそこで開催されていたアナログ絵の特別講座用に買い揃えた画材のうち、ゴンドラソフトパステルや花皿、水差しを引っ張り出してきました。
リキテックスカラーは、23cmドールにはまっていた頃に購入しておいたものが、ほとんど使わずに放置されていたので、それを引っ張り出してきました。一回使った白だけはちょっと固まり気味でしたが、薄め液をリキテックスカラーの瓶に少し入れて攪拌して何とか元に近いくらいには戻しました。
とりあえず、道具類はこんな所でしょうか。
まず、Mr.カラーうすめ液をコットンに付け、ヘッドの表面を綺麗に拭き取ります。経年劣化でソフビがてかてかしているのもこれで大体ですが元に戻ります。
この時、元のアイペイントを消さないようにしましょう。なかなか落ちませんし、落とそうとすると中途半端に残って汚れた感じになったりします。
眉毛の部分はまぁ比較的落としやすいですし、リカバーもしやすいので、あたしの場合はまゆ尻の方を何度かこすって薄くしました。今風じゃないのは眉が長すぎるのもあるので。
コットンに汚れや塗料が付いてきてその状態で擦ると色が移ったりしますので、適度に取り替えてください。
今回は顔の部分を中心に落としましたが、古い場合は耳や後頭部の辺りもくすみがあったりしますので、全体的に落としました。
付けるウィッグや髪型次第で隠れるところはある程度は手を抜いて構わないと思います。
下処理が終わったら、目の感じを変えるため水彩色鉛筆でまつげを描いていきます。
なんというか、マスクペイントの都合でかなり控えめな感じで描かれている上、メリハリに欠けた感じなので長くしたり細くしたり、アイラインそのものを無理のない範囲で補正します。描き込み不足とも言いますね。
小さいサイズのドールならともかく、60cm~等身大クラスになると描き込み不足は解像度感が低いというか、面積あたりの情報料不足になるんですよね。
右目側が水彩色鉛筆の処理後、左側は作業途中でほぼすっぴん。 |
描き途中 |
描き終わり |
水彩色鉛筆で描くときは、薄い色から選んで少しずつ濃い色の鉛筆で線をはっきりさせていきます。
薄い色ならまだリカバーできますが、濃いめともなると水彩色鉛筆はアクリル塗料より落ちにくいので、下書きも兼ねて薄い色、あたしの場合は薄い茶色で描いていき、だんだんと濃いめの色でペン入れ感覚で線をはっきりさせます。
色が薄いと同じ面積を描いていても、濃い色と比べて細く見える現象を利用してるわけですね。
まゆも黒の単色で単調なので、誤魔化す感じも兼ねて、斜線を重ねるようにして眉根側を軽くボリュームアップする感じにしました。
二重まぶたの線もやはり黒一色ではっきりしすぎなので、茶色系の色で重ね描きして少しぼやかします。
体整え終えたら次は瞳のリペイントをします。
リペイントと言っても瞳部分の造形の関係で限度があるので、元のを維持したままという感じで仕上げる形にします。流石に、ティナをティセに変更する勢いの変更は相当難易度が高いか無理です。
リキテックスカラーの青と紺色を花皿に少量取り、水で薄めます。
虹彩の部分はグラデーションになってるので、先ほどの水彩色鉛筆の手順と同じく、薄い色から塗っていく感じです。
今回は瞳のハイライトの入れ方を変えたいのがメインなので、まず素の状態のハイライトを瞳の色である青系の色で瞳部分を塗っていくというか、塗りつぶしていきます。
リキテックスカラーは乾くと耐水性的になるので、時間が掛かりそうな場合は花皿に取ったのが完全に乾く前に水を少し足して維持した方がいいかもしれません。
一応、Mr.カラーうすめ液で固まっても溶かせるのですが、それが混ざった状態で塗ると前に塗った部分が剥げたり溶けたりしてきますので、できるだけ水で。
だんだん濃いめにして行けば、右下側の斜めに入ったハイライトを塗りつぶす際境目の色の違いをごまかせます。
最終的には、リキテックスカラーの黒を混ぜた色にしたり、黒そのものにして瞳孔の部分を塗ります。
そんなこんなで処理していくとこんな感じになります。
デフォの瞳ハイライトを消したあと |
どう見てもレイプ目ですが仕方ありません(´ω`)
ここまでやったら一旦乾かします。混ぜた水の量次第ではありますが、乾燥した時期であれば意外と短い間に乾燥します。
濃くしていく段階では乾かないままで大丈夫なのですが、次はハイライトの白を塗るのでちゃんと乾いていないとちゃんと白が乗ってくれません。
いきなり白で描いていってもいいのですが、自分のCGとかでも表現してるように縁が瞳の色と同系の色でボケた感じにしたいので、まず白と青を混ぜて水色を作りボケた表現をしたいハイライトのところを塗ります。
また乾くのを待ち、今度は白だけで塗り重ねていきます。この際ぼかし表現をしたいところを避けて塗っていくと上手い具合にできます。
そんな感じで塗っていくと最終的にはこうなりました。(写真を撮ったり、メイクし直しの都合があってパステルメイク後の写真ですが)
次はパステルを使ったメイクをして行きます。
まず、花皿に薄い桃色のパステルをカッターで削って粉にして、必要な色を用意していきます。
こちらもまた、薄い色から乗せて行くのですが、薄い色は乗せる面積が広くなりますので、多めに用意しましょう。
用意が終わったら、早速メイクしていきます。
メイク用のブラシの大きいタイプのを使ってチークの赤みを付けていきます。
花皿に取ったパステルをブラシに付けて頬の辺りにちょんちょんと付けた後、ブラシでくるくると馴染ませていきます。以外と乗らないので何回か繰り返しましょう。
薄い桃色というかピンクは、皮膚の赤みの表現で便利なので頬だけで無く、アイシャドウ、Tゾーン(おでこから鼻筋、顎の先)、唇のしたのくぼみ?など、影になる部分などにも塗っていきます。
60cmドールくらいまでの小さいヘッドであればここまでしなくてもいいのですが、等身大ドールになると影の表現が足りずにのっぺりとした感じになりやすいです。この辺りがオリエントのアニメヘッドの違和感みたいなものの原因かなと。
あと、うちの娘はピンク髪なので、写真を撮ったとき顔の赤系のメイクの色が写りにくい感じで、この完成状態を見て貰えると分かるのですが、若干濃いめのメイクになります。
薄い桃色だけだと足りないので、濃い色を少しずつ足していく感じで整えます。
濃いめの色は当然面積を減らしますので、ブラシもだんだんと小さいものにして上手いこと、濃くしたい部分だけに定着させるように馴染ませていきます。
リップは、ブラシでは無くアイシャドウ用のチップにパステルを付けて口紅を描く感じで中央が一番広くなるように上手く乗せて、ナチュラルメイク?を目指すならば、上の唇は少なめで。
こちらも色味を見ながら薄いのから濃いものへ塗り重ねればOKです。
口を閉じた時の線は、水彩色鉛筆で描いた方が早いですし確実です。リップに乗せた色よりは少し濃いめで。
その後、やはり水彩色鉛筆で唇の皺?的な縦線を細かく描いて行きます。色はリップの色より少し濃いめで。
この表現するとき、濃いめの色か逆にハイライト的に白系の色を描くなどのやり方があるのですが、水彩色鉛筆だと白はあまりソフビヘッドには乗らないので、今回は濃い色の方を選びました。
あとは、頬にアニメ的表現でよくある斜線も水彩色鉛筆で描き足していきます。
こちらはやり直しになるとパステルメイクの工程部分も落としてしまう形になるので、先に書いてもいいですし、あとからであればあまり力を入れず細い線を描いて行く感じがいいでしょう。
ここまできたら、仕上げの一歩手前というかパステルの定着のため、Mr.スーパークリアーUVカットつや消しスプレーを顔全体に吹き付けます。使い方は…他のサイトさんを参考にしていただければと。
等身大ドールですからサイズが結構大きいので、小さいヘッドのよりはある意味楽かもしれません。
スプレーを掛けると、色の彩度が落ちますのでその辺りを考慮した色使いをした方がいいかもしれません。
特に、ファンタスティックブランドのものはヘッドもボディもそもそも古いので、経年劣化などでてかりが出ている場合が多いので、いきなりマットな感じになると違和感があるかもしれません。
時間の都合もあってあたしはまだやっていないのですが、少なくとも服で隠れない首や襟元辺りは、同じようにメイクをした方がいいかもしれません。
スプレーをし終わったら、一時間くらいは放置して完全に乾かします。
スプレー後。写真だと分かりづらいかもしれませんが、マットな感じになり、彩度も落ちています。 |
乾いたら、今度は逆につやが必要な部分の処理をして行きます。
ぷるぷる感のでるリップは必須として、目もドールアイっぽくというわけではないものの、つやがあった方がいい場合がありますので、あたしはこちらもつや出し処理をして行きました。
つや出し処理は、タミヤのクリアの重ね塗りでもいいのですが、これが以外とつやの感じが出ないので、別のつや出しニスを使いました。
リップははみ出したりしないよう慎重に塗ります。関係ないところに付いてしまうと、誤魔化すのがとても大変です。最悪メイクやり直しになります(´ω`)
目は、白目と黒目のところにつや出しをします。白目の所は一回で、黒目の所は何回か塗り重ねました。
塗り重ねは、塗る→乾くまで待つ→また塗るの繰り返しです。2~3回塗り重ねれば十分かと。
リップのつや |
瞳のつや出し処理のアップ |
以上、これで今回のメイクは完成です。
この通り、ウィッグ無しで撮影したときよりも、ウィッグ付けたときと実際にメイクしたところの目立ち具合が変わります。
いいカメラであればきちんと映るのかもしれませんが、あたしはスマホのカメラしか持ってないので(´ω`)
最後に、メイク前とメイク後の写真を載せて比較。
こうして比べるとかなり印象が変わったかと思います。ある程度揃うように画像補正欠けたのですが、撮影条件が違うのでどうしても明確な比較にはなりませんでしたので、あくまで三幸までに。
オリエントのアニメヘッド特有の無機質というかのっぺりした感じが減って、色っぽくなったかと。
オリエントのアニメヘッド所有の方で、あの無機質なちょっと単調なフェイスペイントに物足りなさを感じた方は、メイクにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
拙い技術のもので申し訳ないのですが、この記事が参考になれば幸いです。